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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第18章 心境複雑中
◇
激しい行為が終わった後、私と巽さんはベッドの中でイチャつき中。脱ぐ間も惜しんだので、終わってから服を脱いだ巽さんに抱き締められて、私は巽さんの腕の中に居る。
「暑くない?」
「セックスで体温が上がった、奏多の温もりが気持ちいいんだ」
「巽さんも熱いよ」
「お互いこれだけ運動すれば熱くもなるか」
「……運動って」
「ある意味合っているだろ? そうそう息が上がるまで運動はしないぞ?」
「……運動……」
ちょっと恥ずかしくなり、鼻先まで布団を被ったけど、すぐに巽さんに引っ張り出されちゃった。
「なに照れてんだ?」
「そんなことを言うから」
「嘘は言っていないだろ」
「そうなんだけど……」
額にキスされ、髪を撫でてくれる巽さん。こういうのは優しいね。世の中の男性がみんな巽さんみたいだったら、いさかいなんて起こらないのにとまで思ってしまいそう。
(巽さんも、聖さんも、私を大事にしてくれるけど……)
私はいつか選ばなくてはいけない、巽さんか聖さんか、どちらかを。今はそれが少し怖い。ずっと二人一緒ならいいのに……なんて贅沢だよね。
男性が怖かったはずなのに、二人のお陰で克服出来た。三科さんという問題はあるけれど、どうしたら三科さんは諦めてくれるのか、これも考えなくちゃダメなんだよね。
今はただ、巽さんの温もりの中で眠っていたい。居心地がいい腕に包まれ、私は瞳を閉じる。もう少しだけこのままがいいと思いながら。