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社長息子は受付嬢を愛慕う(仮)
第26章 もう過ちじゃない
やっと社長室からは解放されたんだけど、今度は巽さんが私を離してくれないの。私のマンションに帰る予定が、巽さんのマンションに逆戻り。何度も言っているけれど、私にもやりたいことがあるのに……。
「巽さん!」
「悪い、今夜は奏多を返せそうにない。あんな嬉しいことを言われた後だ、奏多を抱きたくて抱きたくて堪らないんだよ」
「抱き……っ!」
まだエレベーターの中だというのに、巽さんからの不意打ちのようなキス。誰かが乗って来たら……そう思うのに、巽さんの唇を離せられない私。だって……怪我のせいで私も我慢していたんだよ。そこにこんなキスをされたら……私まで止まらなくなりそう。
「……んっ……」
「はぁ……奏多……」
触れるだけのつもりが、舌を絡ませた濃厚なキスに変わってゆく。ダメと思えば思うほど、熱く燃え上がる秘密のキス。絡まる巽さんの大きな舌が好き、甘く吐かれる吐息が好き。……好きという気持ちが体中から溢れ出しそうなの。
「巽さん……好き」
「俺も好きだ、奏多」
「うん、うん……」
エレベーターが止まるまで、繰り返されるキスの嵐。漸く巽さんに好きと言える私の気持ちに、もう蓋をすることが出来ないし、したくないよ。ハッキリと巽さんの瞳を見て好きと言ってあげたい、今までの分を取り戻すように。
幾ら巽さんでも、エレベーターから降りてから家に入るまでは普通。でも私の腰には巽さんの腕が回ったまま。早く開けと言わんばかりにカードキーをかざし、玄関に入り扉を閉まったと思ったら、またキスして来るの。