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彼の世界は官能で出来ている。
第10章 濡れる話のその後に…
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「ハァハァ…ハァハァ…君の気持ちは分かっています…しかし――――何故…父なのですか?」
元(ハジメ)は自分の押さえきれない衝動に驚いていた。
こんなにも父の婚約者であるイチカを欲しいと思った事はなかったからだ。
「私の気持ちを知っているなら…この手を放して…元くん…」
イチカの手首はか細く、力を入れたら折れてしまうのではとドキドキした。
しかし、その手首を元は放すことはなかった。
そして、戸惑うイチカを引き寄せ唇を重ねた。
「んっ――――!んっ…んん」
「イチカ…頼む――――父とは…別れてくれ」
齧りつくかのような口づけにイチカの体は固くなる!
このまま元に食べられてしまう…そう思ってかグッと唇を固く閉じる。
「お願いだ――――拒まないでくれ。
イチカの気持ちは…嫌でも分かっているんだ…それでも…俺はお前が欲しい」
元は固く閉ざされた唇を甘く噛む。
「元くん――――私は…貴方のお父さんと…」
「知っています…。父と体を重ねる君を、俺は何度も見せつけられているんだから…
父は俺の気持ちを知っていながら…あの部屋であのベッドで君を抱くんだ…
怖い人だよ――――」
元は苦しそうイチカの首元に顔を沈めた。