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彼の世界は官能で出来ている。
第14章 娘VS孫
玄関からそっと家に入ると、客間の方から話し声が聞こえる。
「こんな時間に申し訳けございません…」
「いいえ、それはいいんだけど…水無月君…その方は?」
私は客間に続く廊下でピタリと足を止めた。久しぶりに聞く瑛斗の声に―――…動揺していた。
「あ――――…この方は…」
「初めてまして。“影街龍之介”の娘――――街田 美央です」
お母さんの問いに瑛斗が答えようとするのを遮るように美央さんが答える。
「あら、影街先生の所の…」
「すみません、この後――――…二人で行くところがあるので一緒に来たんです。それに、瑛斗さんが新しくご購入する古い別宅を私も拝見したいですし」
物腰が柔らかくお上品な言い方をする美央さんたが…何故かトゲがあるように思えるのは……その人にいい印象をはじめから持っていなかいらだろうか。