この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蘇州の夜啼鳥
第1章 ランタンの月
片岡は胸の奥底から込み上げる熱い想いを押し殺し、暁蕾に背を向けた。
「…さあ、もう帰ろう。
マダムに頼んでタクシーを呼んでもらうよ」
部屋を出かけた片岡の背後から、暁蕾の声が飛ぶ。
「待って…。
ミスター…私…!」
振り返る胸に、暁蕾が飛び込んでくる。
どきりとしたその腕に、その華奢な身体は力なくずるずると意志のない人形のように崩れ落ちそうになった。
慌てて引き上げ抱き止める。
暁蕾はぐったりと気を失っていた。
触れる身体が酷く熱い。
急いでその白く清らかな額に手を当てる。
…酷い熱だ…!
片岡ははっとして、声を掛けた。
「シャオレイ!しっかりしろ!」
「…さあ、もう帰ろう。
マダムに頼んでタクシーを呼んでもらうよ」
部屋を出かけた片岡の背後から、暁蕾の声が飛ぶ。
「待って…。
ミスター…私…!」
振り返る胸に、暁蕾が飛び込んでくる。
どきりとしたその腕に、その華奢な身体は力なくずるずると意志のない人形のように崩れ落ちそうになった。
慌てて引き上げ抱き止める。
暁蕾はぐったりと気を失っていた。
触れる身体が酷く熱い。
急いでその白く清らかな額に手を当てる。
…酷い熱だ…!
片岡ははっとして、声を掛けた。
「シャオレイ!しっかりしろ!」