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蘇州の夜啼鳥
第2章 かりそめの恋
タクシーが山糖街外れの暁蕾のアパートに着いたのは、夜半を過ぎていた。

「…寄っていく?
…狭くて恥ずかしいけれど…」
暁蕾が片岡を甘く見上げた。
「いや、いいよ。
君も風邪が治ったばかりだから早く寝んだほうがいい」
片岡は暁蕾をタクシーから降ろすと、アパートの部屋の前まで送り届けた。

寂しそうな顔をする暁蕾に、片岡は
「…また明日会える…」
優しくそう囁き、引き寄せる。
「…片岡さん…」
甘いキスをしかけ…

…その時…。
古びたアパートのドアの前から人影が揺らめき、それは二人の前に足早に現れた。

「ターレン。シャオレイから離れてください」
街灯に照らし出されたその青年は…
「ユーハン…?」
暁蕾の幼馴染の王 雨航だった。
若竹色の品の良い長袍を身に纏った雨航は、甘い端正な貌を引き締め、暁蕾の腕を強引に引き寄せた。
「シャオレイ。こっちに来るんだ」
片岡から暁蕾を引き離し、自分の背中に隠す。
「何をするの?ユーハン…」
訳が解らず呆気に取られる暁蕾の肩を、雨航は両手でしっかりと抑える。
「シャオレイ。
君はこの人に騙されているんだ」
「騙されている?
ユーハン…何を言っているの?」

戸惑う暁蕾の前に、雨航は幾枚かの大判の写真を広げて見せる。
「…見ろ。
これがこの人の元愛人だよ」
渡された写真を見る暁蕾の大きな瞳が、信じ難いように見開かれる。
色を失った形の良い唇が、小刻みに震え出した。
「…これ…私…?」

片岡の眼に、見覚えのある人物の写真が飛び込んできた。
…それは、澄佳の写真であった。


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