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恋する真珠
第2章 恋するカナリア
…波の音が聞こえる…。
…澄佳さんが…窓を…開けたのかな…。
いつもより真近に聞こえる波の音…。
瑠璃子はその心地よい音のリズムに身体を預け、うとうとと微睡み続けていた…。
…と、深い睡りに囚われそうになる前に奇妙な違和感から意識が覚醒し、瑠璃子は慌てて飛び起きる。
…縁側に面した古風な障子窓は開け放たれ、そこから手入れが行き届いた庭先が見えた。
…そのすぐ奥には、穏やかな内房の夏の海が静かに煌めきながら広がっていた。
…のどかなかもめの鳴き声が近い…。
広々とした和室には、古い和箪笥と年季の入った文机だけが置かれていた。
…うちじゃない…。
…ここ…どこ…?
周りを見ようと身体を捻った瞬間、下腹部に鈍痛が走った。
「痛ったあ…!」
…次の瞬間、鮮やかな走馬灯のように昨夜の出来事が恐ろしい速さで甦った。
…私…涼ちゃんと…セックス…したんだ…!
「…やだ…!私…!」
かっと頰が熱く火照り、無意識に自分の身体を抱きしめる。
…そろそろと見下ろすその身体には、ぶかぶかのTシャツが着せられていた…。
…下は下着一枚だ…。
Tシャツからは清潔な石鹸の香りと海の匂い…そして紛れも無い涼太の匂いが漂っていた。
…身体からは、微かな痛み以外に昨夜のセックスを匂わすものは何もなかった…。
汗と体液に塗れていたはずの身体はさらりと清潔に乾き、下着も汚れてはいなかった…。
真っ白なシーツにはぴんと糊が効いていて、明らかに替えられたばかりのものだ。
そっと触れたそれには、瑠璃子一人分の体温しか留めてはいなかった。
…けれど…
瑠璃子は大きな瞳を見開いた。
敷布団の端にコンドームのパッケージの切れ端が、生々しい夢の欠片のように落ちていた…。
…だから、夢じゃない…!
「涼ちゃん!」
叫ぶなり、瑠璃子は立ち上がる。
「涼ちゃん!どこ?」
瑠璃子は朝の太陽が濃く射し始めた縁側を降り、敷石に置かれた下駄をつっかけると涼太を探しに走り出した。
…澄佳さんが…窓を…開けたのかな…。
いつもより真近に聞こえる波の音…。
瑠璃子はその心地よい音のリズムに身体を預け、うとうとと微睡み続けていた…。
…と、深い睡りに囚われそうになる前に奇妙な違和感から意識が覚醒し、瑠璃子は慌てて飛び起きる。
…縁側に面した古風な障子窓は開け放たれ、そこから手入れが行き届いた庭先が見えた。
…そのすぐ奥には、穏やかな内房の夏の海が静かに煌めきながら広がっていた。
…のどかなかもめの鳴き声が近い…。
広々とした和室には、古い和箪笥と年季の入った文机だけが置かれていた。
…うちじゃない…。
…ここ…どこ…?
周りを見ようと身体を捻った瞬間、下腹部に鈍痛が走った。
「痛ったあ…!」
…次の瞬間、鮮やかな走馬灯のように昨夜の出来事が恐ろしい速さで甦った。
…私…涼ちゃんと…セックス…したんだ…!
「…やだ…!私…!」
かっと頰が熱く火照り、無意識に自分の身体を抱きしめる。
…そろそろと見下ろすその身体には、ぶかぶかのTシャツが着せられていた…。
…下は下着一枚だ…。
Tシャツからは清潔な石鹸の香りと海の匂い…そして紛れも無い涼太の匂いが漂っていた。
…身体からは、微かな痛み以外に昨夜のセックスを匂わすものは何もなかった…。
汗と体液に塗れていたはずの身体はさらりと清潔に乾き、下着も汚れてはいなかった…。
真っ白なシーツにはぴんと糊が効いていて、明らかに替えられたばかりのものだ。
そっと触れたそれには、瑠璃子一人分の体温しか留めてはいなかった。
…けれど…
瑠璃子は大きな瞳を見開いた。
敷布団の端にコンドームのパッケージの切れ端が、生々しい夢の欠片のように落ちていた…。
…だから、夢じゃない…!
「涼ちゃん!」
叫ぶなり、瑠璃子は立ち上がる。
「涼ちゃん!どこ?」
瑠璃子は朝の太陽が濃く射し始めた縁側を降り、敷石に置かれた下駄をつっかけると涼太を探しに走り出した。