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さすがに無理やろ
第12章 いよいよ


そして今
青山さんは
俺の左側

「どうや?」

どっちも
腕枕をしてみてから
そう聞いてみると

「こっち…かな?」

と、青山さんは
俺と目を合わせたまま
小さく笑った

いやもう
どっちでもええ!
どっちも可愛いからーーー

「それはよかった」

「え?」

「こっちやと
右手が自由なるから
色々やりやすいねん。
今日はせんけどな」

「…もう」

勘弁してくれ
笑顔のまま言う『もう』は
破壊力半端ないんやから!

「あれ?
今日はせーへんことに対しての
『もう』か?」

「違います」

「あはは。
なんや楽しいなぁー。
楽し過ぎて眠れんかもしれん」

「ダメです。寝て下さい。
…楽しいですけど」

なんちゅう
可愛らしいこと言うねん

「せやな。
ほな…おやすみのチュウやな」

「……」

もちろん
青山さんからの返事はない

けどその代わりに
優しい笑顔のまま
そっと目を閉じてくれるんや

舌を絡めれば
同じくらいの熱さで
絡めてくれるし
俺が抱きしめると
青山さんも
優しく俺に抱きついてくれる

あぁ
やっぱり大人なんよな
ええ感じの間合いや
マジで
心地ええ…

「寝られへん言うたけど…
気持ちようて
先に寝てしまうかもしれへん…」

柔らかな青山さんの身体と
やっとこうなれた安心感で
俺は一気に睡魔に襲われはじめた

「いいですよ、寝て下さい」

ほんまに?
ほんまに…寝てまうで
青山さんの寝顔…見たかったのに

「…ごめんな…マジで眠いわ…」

どうやら
それからの数秒で
俺は寝落ちしたらしく
そこから先のことは
全然覚えてないんや

最悪なことに
先に寝てまうなんて…

けどな
次に目を覚ました時
俺に幸運が訪れたんや

よほど疲れてたのか
なんとまだ
青山さんは夢の中で
気持ちよさそうな寝顔を
拝むことができた

ほんまに…
肌、白いな…
白雪姫みたいや

白雪姫を見たことなんか
ないんやけど

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