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さすがに無理やろ
第12章 いよいよ

「ほんとに…キス魔ですね」

カーテンの隙間から漏れる光は
もう昼か?
と思うくらい明るい

そんな明るいのに
青山さんの素肌は
陶器のように白くて滑らかや

キスの後やからか
ほんのり赤くなってんのも
可愛らしい

多分
『キス魔ですね』
とか言うてんのも
照れ隠しなんやろうな…

「勘弁してな
マジでそうやから」

そう言うと
青山さんは
頬を緩めながら
俺の髭に視線を合わせた

「髭はな
慣れるとクセになるねんて」

「クセ?」

「まぁ…そのうち分かるわ」

どこにキスしても
髭が当たるらしいんや

それが『どこ』でも

「そう…なんですね。
確かにクセというか…
ちょっとくすぐったいですけど」

あー…信じられへん

あの青山さんが
警戒することなく
俺の腕枕でまったりしてるとか
キスで髭がくすぐったい
言うとか
俺に抱きしめられても
抵抗せえへんとか!!

無茶苦茶やらしいこと
せえへんかっても
このまま
ホック外して
おそらく小さめやろう
胸、触ったらあかん?
それか
パジャマの上からでええから
お尻触ったらあかんやろか…

俺が
青山さんに頬擦りをしながら
そんなことばっかり
考えてると
青山さんは
クスクスと笑いはじめた

「ん?」

「髭が…」

「くすぐったいか?」

「はい」

可愛い…
会社でも
こんな風に笑うて
こんな風にリラックスしてたらええのに

あ、いや
見せたない気もする…
誰にも
見せたない気がするーーー

とか思うてたら
「し、新飼さん、苦しっ…」
青山さんのこと
ぎゅーって
抱きしめてしもてて
「あ、ごめん!
なんやもう好きすぎて
身体が勝手に」
そう謝ると
青山さんはまた
「もう…」
と言って顔を赤くした

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