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さすがに無理やろ
第12章 いよいよ
俺は
少し離れて座ってる
青山さんの肩を抱くと
俺に抱かれた青山さんごと
クッションに身体を預けた
「とりあえず
適当に話しするな」
あぁ…気持ちええ
なんでこんなに
落ち着くんやろ
青山さんの髪を触りはじめると
更に心地よさは増して
溶けてしまいそうや
青山さんも
そう思うてくれてたら
嬉しいねんけど
「眠なったら
寝てええからな」
「…眠くなっても、寝ません。
眠るなんて…」
「ん?」
「…もったいない」
「俺もや」
優しく
青山さんの顎に指を添え
軽く顔を上げさせると
どちらからともなく
舌を舐め合っていた
せや…これやねん
俺のしたかったキス
そんな
溶けるようなキスのあと
俺は
色んな出来事を
思い起こしながら
話し始めた
「実はな
初めて青山さん見たんは
駅やったんや
まぁ
そのときは
それが青山さんやとは
気づかへんかってんけどな
青山さん
えらい…疲れた感じで
歩いてたんや
妙に
その姿が
忘れられへんかって
駅に着くたび
なんとなく
青山さんのこと
探したりしてたんよな…
そんでな
その後
俺の仕事を訂正しに来た
青山さんと会うたんや
クスッ
あー俺
その時から青山さんに
惹かれてたかもしれん」
「…え?」
「青山さんは
噂通りやってん。
仕事ができてな
ちょっとカタイ感じで
まぁ言えば
青山さんの狙い通りやったんや。
眼鏡かけて
ほとんど化粧せんと
髪もしばって
地味なスーツ着てて
確かにモテなさそうな雰囲気やったわ。
けどなぁ
可愛らしかってん
ボールペンがな」
「ボールペン?」
「可愛らしいボールペン
コソッと持っててん。
ほんでな
ピアスしてへんけど
耳にピアスの穴
空いててな」
そう言いながら
耳たぶを触ると
青山さんは
くすぐったそうに
首をすくめた
「よう見たら
えらい肌が白うて
見とれてもうたんや。
うん、せやな
俺は
あん時から
青山さんのこと
好きになってたんや」
そう
あの日から俺は
青山さんの姿を
目で追うようになってた
「わかってたいうか…
なんや感じてたんかもなぁ
ほんまは
可愛らしい人なんやないんかって」
「……」
「なぁ、キスしてええ?」
「……あっ…んっ…」