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さすがに無理やろ
第15章 甘く…切なく
で、チェックアウトの時間になり
俺はユリとホテルを出て
大阪を満喫した

知ってる人がおらん
という開放感もあって
腕を組んだり
手を繋いだり
なんなら
路チューでもしたろかな
というくらい
俺とユリは密着

こんなにずっと一緒におったんは
初めてで
こんなにイチャイチャしたんも
初めてや
せやけど
ほんま居心地がええ

それにユリが
一層、ナチュラルやねん

いつもは
会社の人に見つかったら…と
気にしてたり
仕事モードから抜けきれんかったりで
敬語もなかなか取れへんかったのに
今はもう
ほとんどでえへん

そうなると
ちょっとメイドカフェ風の
あの喋りが懐かしい
けどまぁやっぱり
ナチュラルで
リラックスしてるユリを見てる方が
俺かて気持ちええ

それに
ちょっと甘えたり
彼女っぽいこと
言うたりするようになって
可愛らしいねん

「新幹線、何時や?」

「8時…くらいかな…」

「せやなぁ、明日仕事やし」

「9時でもいいかなぁ…」

「家着くん遅なってまうで?」

「うん…でも…」

「でも?」

「…うーん…」

「なんや?」

「…帰りたくない」

あぁ…可愛い…
帰りたくないとか
ほんま抱きしめたいし
キスしたい

「俺はユリを監禁したい」

「…もう」

「ユリ」

「ん?」

「なんか…ええ感じやな」

「ええ…感じ?」

「なんちゅうか…
ふわっとしてるゆーか
リラックスしるいうか」

「あぁ…うん
すごく…リラックスしてる」

「会社におるときとは
全然違うで?」

「…うん」

「会社でも
そうしてたらええのに」

「……」

「俺と付き合うてるって言えば
もう男のこと気にせんてええし」

「…うん」

「まぁ…女子社員のことはアレやけど」

「……うん…」

重い返事のユリに
俺はそれ以上
言えへんかった

そんな簡単なことやない

ユリの経験してきたこと
今まで生きるために
必死でやってきたことを
簡単にやめられるわけないし
やめる勇気も
もたれへんやろうから
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