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さすがに無理やろ
第15章 甘く…切なく
「次のに乗れるか?」

「…うん」

離れたないけど
これ以上
ユリを引き止めるわけにはいかん

俺は
まだ新幹線が着いてないのに
腰を上げて
ユリを立たせた

次の新幹線が来たら
ちゃんと乗れるようにと

すると

「あ…来てもうた…」

「…うん」

ユリの寂しそうな声
そんで
ほんまに悲しそうな顔…

それを見て
俺の心がはち切れそうになって
人目も気にせず
ユリをしっかりと抱きしめたんや


「帰るまで待っててな
毎日電話するから」


「…うん」



それから俺は
ユリを新幹線に乗せ
ドアの前に立った

ユリも
席には移動せず
ドアの隅に立ったまま

二人とも何も言葉にできんまま
ザワザワと時は経ち
そして…

ドアが俺達を引き裂いた


最後に見えたのは

ユリの
こぼした涙やった


ほんま
バカップルやと思う

何年もの別れやないし
一週間後には
会えるかもしれへん

そのくらいの別れや

せやのに
人の多いホームで
抱きしめるとか
キスするとか…

ほんま
俺はどないしてんねん

どんだけ
ユリが好きでたまらんねん

そう思いながら
新幹線を見送り
俺は携帯を手にとった

もちろん
ユリにメールするためや

メールする理由は

当然

さっき泣いてた
ユリを寂しさから救うためや

いや

ほんまは

俺が
ユリに
救ってもらいとうて…。
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