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さすがに無理やろ
第16章 きっかけ

「結局、無理してたって気付いたんですけどね…

だから
今は楽なんです。

会社では色々言われるし
風当たりも強いけど
なんていうか…
もう余計なこと考えなくていいのが
すごく心地よくて…

今思えば
何と戦ってたのかなーって。

ほんと
馬鹿みたい」


水本さんはそう言って
一人でクスりと笑い
それを見たユリは
「戦ってた…」
と、ポツリとつぷやいた

「どないした?」

「ううん…
私も
何と戦ってるのかなーって
ふと思って」

「せやな…
確かに毎日
戦こうてるいう感じやな」

俺がそう言うと
それからしばらく
誰もが口を閉ざし
静かな時が流れた

みんなそれぞれ
思うことがあるんやろう

ユリは多分
なんで戦ってんのやろ
とか
本当に戦いをやめて
楽になるんやろうか
とか
考えてんのやないかな…

「水本さん」

「はい」

「どうして耐えられるの?
その…」

「あー…
私、色々言われてますもんね
女子社員からも」

「……」

「いいんです、本当のことだから。
でも逆に聞いてもいいですか?」

「え?」

「青山さんこそ
どうして耐えられるんですか?」

み、水本さん!
な、なんてこと
聞くんや!

そう思うたけど
ユリの反応は
意外なもんやった

「クスッ
ほんとね。
どうして耐えられるんだろ。
別人のように振る舞って
変人扱いされて
仕事は増える一方。
何やってんだろ、私。
何者なんだろ…私」

不思議や

ユリの様子が
ちょっと違う

口調もゆっくりで
穏やかで
まるで家におる時みたいや

「私は安藤さんがいるから
耐えられてるのかな…
でももし耐えられなくなったら
会社を辞める覚悟はできてるんです。
だから辞める前に
普通に過ごしてみるのもいいかなって
吹っ切れた感じです」



「そうね…

ほとんどの時間を
別人のように生きるのは
疲れてきたかも。

羨ましいな。

私に
水本さんのような勇気が
あればいいのに」

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