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さすがに無理やろ
第6章 もどかしい偶然

突然の告白から数日…

期待している
青山さんとの『偶然』は
なかなかやってこなかった

あの会議があったのは
ちょうど月の下旬を迎えた頃で
それから月末まで
鬼のように忙しかったからや

多分
経理の青山さんもそう

残業、残業、残業で
晩飯は
会社でカップ麺で済ませることも
少なくない日々が続いていた


けどそれも今日で終わり
やっと月末を迎えたんや


「終わったぁーーお疲れーー」

全ての業務を終えると
俺は席を立って
バキバキの身体で伸びをした

「新飼さんも行きます?」

「やめとくわ。
また今度な、ほなお先」

同僚はこれから飲みに行くらしいが
俺はもうとにかく早く帰りたくて
誘いを断り
一人駅へと向かった

仕事が終わったとはいえ
今日も残業で時間も遅い
これから飲むとか
あいつらどんだけ元気やねん

そう思いながら駅に着き
いつもの電車に乗ろうとすると
隣の車両に乗り込む青山さんを見つけた

あっ…青山さん…

やっと会えた青山さんに声をかけたかったが
電車のドアが閉まりそうになり
慌てて目の前の車両に乗り込んだ

相変わらず
ちゃんとしてんなぁ…

久しぶりに見る青山さんは
いつのもように姿勢が良く
隙のない雰囲気を醸し出していた

あれやったら
痴漢も寄り付かへんやろな

さて
移動するか

電車が走り出し
スピードに乗ると
俺は人をかき分けながら
青山さんのいる
隣の車両へと移動した

あ、おった

青山さんは
ポールに捕まりながら
電車の外を眺めていた

おったけど…
なかなか近くに行けへんなぁ

青山さんの乗る車両までは
移動できたものの
電車は混んでて
なかなか青山さんに近づくことができない

しゃあない
次の駅に着くまで待つか

俺は少し離れたところから
青山さんを観察することになってしまった

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