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お園さん
第7章 セックス、セックス、セックス

その日以来、私にとってお園さんは「憧れの人」ではなく「セックスパートナー」になった。だから、教科書を読んでいても、テレビを見ていても、ふと気がつくと、お園さんの裸ばっかりが浮かんでくる。

でも、彼女には旦那がいるし、家は通学路に面しているから、おいそれと訪ねて行くことはできない。月に一度か二度、それも、旦那が来ない日曜日、彼女が「いいわよ」と言ってくれた時だけだった。

しかし、思わぬところから幸運が舞い込んできた。

年が明けた2月。学校から帰る時、「ねえ、ちょっと」と呼び止められた私は、お園さんから「引っ越すのよ」と言われた。

「えっ、どうして?」
「うん、ちょっとね」

彼女は辺りを見回し、人通りが途切れていることを確めると、「こっち」と私を家に引き入れた。

「別れることになったの」
「誰と?」
「バカ!」

全くの愚問。あまりのバカさ加減に私も笑いだしてしまった。

「奥さんにバレちゃったのよ。それで、手切れ金の代わりにマンションを貰ったの」
「へえ、マンションを」
「3つ先の駅だけど、歩いて5分だから、来れるわよね?」

こちらも愚問だ。

「勿論ですよ」

私は物のついでに、引っ越しを手伝うと言ったが、さすがに他人の目があるから、断られた。
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