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お園さん
第3章 些細な諍いから
私のお園さんへの思いはどんどんエスカレートし、もう私の頭の中は「飯田園子」のことでいっぱい、
「SMAP、好きかな?」、「タイタニック、見たかな?」
こんなことばかり考えていた。
まあ、ある意味で、この年頃につきものの、年上の女性への憧れで、決して「性」の対象ではなかった。
たが、2年生になった、ある日、現実を見てしまってから、私たちの関係は思いもしない方向に進んでしまった。
それは5月下旬のこと。中間テストが終わり、部活帰りの午後7時頃、彼女の家を通ると、白髪の男性が来たのをお園さんが笑顔で出迎えていた。
「やっぱりそうなんだ……」
妾だと噂には聞いていたものの、彼女に恋心を抱いていただけに、裏切られたようで、ショックは大きかった。そして、「ちくちょう、何であんな奴なんだよ!」と無性に腹が立ってきた。
それで非常に単純なことだが、翌日から私は彼女を徹底的に無視することにした。かといって、通学路を変える訳でもない。ただ、目を合せないようにすることだった。
「えっ、どうしたの?」
2、3日は彼女が戸惑う姿があったが、そのうち、何も気にしなくなっていた。これは私にとって全くの予想外。私が無視するのではなく、逆に彼女に無視される格好になったしまった。