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揺れる世界の秘め事
第10章 秋空のフェスティバル
会社では…というか他の女性には
キチンとした敬語を使ってるし、
同僚や仲のいい人にもあまり砕けた言葉を使ってなく、
まぁ、少し舐められてるのかもとも思わなくも無いけど、
その口調に慣れてしまったから文句も言わなくなった。

テーブルに運ばれたパスタを一口譲り合い、
話をしていると「そういえば…」と一言有馬君が思い出したように口にする。


「今度の休みの日に友人の勤めてる職場で
朗読劇みたいのやるんすけど、良かったら一緒に行きません?」
もちろん友人と一緒にでイイっすよ、俺途中抜けるし。

そう付け足されたから、まぁ、それなら…と了承すると嬉しそうに拳を作られる。

詳しく聞いてみると、有馬君の友人は教師で、
文化祭の助っ人に有馬君を誘ったようだ。
初めての遠出のお誘いもあって少しワクワクする。

気の合う女友達、リカを誘い、
最寄り駅から一時間弱の少し大きい駅へ向かう。

「で、なんでアタシを誘ったわけ?いいじゃん、2人でデートでもすれば」

半ば強引に誘われたリカが不満げにこちらを見る。

赤茶のサラサラな長い髪、少しきついツリ目で
サバサバした性格の彼女とは小学校の時からの親友だ。
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