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第8章 雅

俺が愛撫をしているとき、兄はキスしかしない。
愛撫をしてやればいいのに、と毎回思う。

でも、今回は任せて貰えて有りがたかった。
雅さんは結構重症だ。
ゆっくりと開かせないと、トラウマが蘇る。

兄は、結構強引な所があるから、彼女には危険なのだ。

風船を手で浮かせるように、外側から内側へ持ち上げる。

柔らかい膨らみをゆっくりとほぐす。

肌を柔らかさを指に馴染ませるようにゆっくりと…

舌を脇と腕の間に差し込み、そこにディープキスをする。

「ふぁ…」

吐息が漏れた。

雅さんがびっくりして目を開く。

「な…んで？」

自分が感じている事に驚いているようだ。

「ふ…そのまま素直に…力を抜いて洋平に身を委ねて…」

優しく耳元で兄が囁く。

雅さんは頷き、再び目を閉じる。先ほどより力が抜けているようだ。