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喪服奴隷・七菜~香織の巻~
第4章 判決
所定の手続きを踏んで、七菜が出てきた。
省吾は助手席のドアを開けて迎え入れる。
「俺が七菜の身元引受人になった。
だから今日からお前は、俺の家で寝泊まりしてもらうことになる。
何か質問はあるか?」
『いえ、なにもありません』
会話のあとが続かず、二人とも無言のまま家にたどり着いた。
応接室に案内してやり、冷蔵庫から麦茶を取り出す。
さて、どうやって話を切り出したもんか・・・

妊娠したことにはビックリしたが、あの日記を読んだ後だ。
俺の子どもなんか、絶対に産みたくはないだろうな。
堕胎費用ぐらいは、見舞金として俺が出すしかないだろう。
香織には、あの衝撃の事実をどうやって伝えるつもりなんだろう。
どう考えたって、話の糸口が見つからない。

突然、七菜が椅子から下に降りて、土下座して頭を下げる。
『ご主人様、私はあなたを殺そうとしました。
いえ、あのまま放置したらご主人様は死んでいたと思います。
謝って済む話でないことはわかってますが、本当にごめんなさい。
でもあんな事実を知ったら、とてもじゃないけど許せませんでした。
香織まで巻き込んで、あなたは鬼です!
私はあなたを刺して、そのまま自分も死ぬ気でいました。
でもあなたを刺したあとに、お腹に赤ちゃんがいることを知ったのです。
きっとお腹の子が踏みとどまらせたんだと思います。
私はもう少しで、この子のお父さんを殺してしまうところでした』
お腹をさすりながら、いったん言葉を詰まらせる。
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