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喪服奴隷・七菜~香織の巻~
第9章 社外調教
香織はもう恥ずかしくて仕方がない。どこまで恥をさらせばいいのか。
ましてや食欲なんか、あろうはずもない。
受付でトーストと珈琲を頼むと、省吾は名物膳を注文したようだ。
レストランの店内は、思ったよりも静かだった。
時間が早いのか、空いている店内奥の、窓際のテーブルを選ぶ。
香織に入口側の席を勧めると、省吾が向かい側の奥に座わった。
椅子に腰かけると、アナルストッパーが喰いこんでくる。
思わず顔をしかめるが、声に出すわけにはいかない。
「香織、静かな店内でよかったな。ホッとしただろ。
まだ12時前だから先方が食事中だったら失礼だ。少しここでゆっくりしていこう。
それにしてもこのレストラン、暖房が効きすぎていないか?
ずいぶん暑いな。香織もそう思うだろう?」
省吾がわざと大きな声を出す。そのたびに香織の身体がビクンと反応する。
『そんなことはありませんけど、ちょうどいいかな』小声で返す。
「いやありえない。絶対に暑い。スカーフもベストも脱いでいいぞ」
『えっ、こんな場所で脱げるわけないじゃないですか』
香織も思わず叫びたくなる。
すると省吾は
「さっき何て言ってたっけ?なんでも言うことは聞きます・・・
だったよな。もう忘れたのか?」なんてイジワルなんだ。
香織は仕方なくスカーフを首から外すと、横の椅子に掛ける。
ベストを覗き込んで、ブラウスから縄が透けていないかを確認し
渋々とベストも脱いでいくのだった。

トーストと珈琲が運ばれてきた。香織は襟元に手をやり、なんとか隠す。
省吾は渋い顔をする。「なんで隠すんだ、手はテーブルに置いておきなさい」
続いて名物膳を両手にかかげて、ウェイターがやってきた。
省吾の前に置いて、振り返ると香織の姿をしげしげと見ている。
香織と視線が合うと、慌てて立ち去って行った。
厨房の脇で、ほかのウェイトレスとなにやら話し込んでいるようだが
香織からはその姿は見えず、一人省吾が悦に入っている。
香織は珈琲を一口飲んで、気を落ち着かせる。
『旅の恥はかき捨て』その言葉を呪文のように、何度も唱えていく。
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