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昼想夜夢~君、想ふ~
第12章 雷鳴
大きな音が聞こえ振り返ると、そこには台から落ちてしまった彩花が床にへたれこんでいる。
脱力した足で降りようとしたからか倒れ込んでしまったようだ。
「痛…」
「あ…っ」
床に落下したかのような彩花のそばに駆け寄ろうとしたが、俺が今彩花のそばに行ってどうなる?
もし、今
また彩花に触れてしまったら、今度こそ本当に後戻りが出来なくなる。
俺は…、これ以上彩花に触れてはいけない。
「―――――…っ」
彩花に駆け寄り抱き起こしてやりたいのに…
手を差し伸べてやりたいのに、もうそれも出来ない。
許されない。
彩花に気づかれないよう、自分の気持ちを抑えつけた。
グッと握った拳の中で、爪が手のひらに突き刺さる。
「…彩花」
「純也さ…」
もう、彩花のそばにいれない。
いや、元から俺の入り込む隙なんてなかった。
彩花…
誰よりも大切で、誰よりも愛してた女。
妹なんかじゃない。
彩花は俺の妹なんかじゃなかった。
「先に帰る」
「ま、待って!純也さんっ!」
踵を返し、彩花に向けた背中に彩花の声が突き刺さる。
頼むから、これ以上俺の名前を叫ばないでくれ…。
俺はもう、お前のそばにはいられない。
「教えて!純也さんは、本当に私のことが嫌いなのっ!?」
「―――っ!」
「私のことが嫌いだからこんな事をしたのっ!?」
嫌い?
んな訳ないだろう。
誰よりも大好きだったよ。
誰よりも大切にしたかったよ。
でも、彩花を大切にしてくれるのは俺じゃない。
「答えてよ!純也さんっ!」
「大っっっ嫌いだよっ!!」
「――――…っ!」
彩花の方を振り返らず、背中を向けたままそう叫んだ。
コンクリートが打ち付けてあるだけの部屋に俺の声が反響した。
脱力した足で降りようとしたからか倒れ込んでしまったようだ。
「痛…」
「あ…っ」
床に落下したかのような彩花のそばに駆け寄ろうとしたが、俺が今彩花のそばに行ってどうなる?
もし、今
また彩花に触れてしまったら、今度こそ本当に後戻りが出来なくなる。
俺は…、これ以上彩花に触れてはいけない。
「―――――…っ」
彩花に駆け寄り抱き起こしてやりたいのに…
手を差し伸べてやりたいのに、もうそれも出来ない。
許されない。
彩花に気づかれないよう、自分の気持ちを抑えつけた。
グッと握った拳の中で、爪が手のひらに突き刺さる。
「…彩花」
「純也さ…」
もう、彩花のそばにいれない。
いや、元から俺の入り込む隙なんてなかった。
彩花…
誰よりも大切で、誰よりも愛してた女。
妹なんかじゃない。
彩花は俺の妹なんかじゃなかった。
「先に帰る」
「ま、待って!純也さんっ!」
踵を返し、彩花に向けた背中に彩花の声が突き刺さる。
頼むから、これ以上俺の名前を叫ばないでくれ…。
俺はもう、お前のそばにはいられない。
「教えて!純也さんは、本当に私のことが嫌いなのっ!?」
「―――っ!」
「私のことが嫌いだからこんな事をしたのっ!?」
嫌い?
んな訳ないだろう。
誰よりも大好きだったよ。
誰よりも大切にしたかったよ。
でも、彩花を大切にしてくれるのは俺じゃない。
「答えてよ!純也さんっ!」
「大っっっ嫌いだよっ!!」
「――――…っ!」
彩花の方を振り返らず、背中を向けたままそう叫んだ。
コンクリートが打ち付けてあるだけの部屋に俺の声が反響した。