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恋に落ちる時
第2章 フットサルの彼 -2-
「えっ…。」

ビックリして顔を上げた彼女と視線が重なった。

「ごめん、里佳ちゃんに教えてもらった。」

「…そうなんです。電話で別れ話したんで、会って話そうって言われて。」

「夜ご飯一緒に食べるの?」

「ううん…きちんと会ってさよならして、それで終わりにしようと思ってます。」

「いいの?長く付き合ってたって言ってたよね。」

「いいんです…なんか戻る気はないんですけど、でも嫌いにはなりきれなくて、長く一緒にいると泣いちゃいそうで。笑」

「─じゃぁさ、終わったら連絡してよ。焼き肉食べ行こ、一人でいるより気が紛れるよ。」

「今日ですか!?」

「そう、ダメ?」

「ダメじゃないですけど…何時になるか、わからないですよ?」

「いいよ。何時でも。」

彼女の手に触れ、そっと指を絡ませる。

「嫌だったら言って?」

「///…嫌じゃないです、でも私こういうの慣れてなくて…隼人さんは大人で余裕あってズルいです。何考えてるのかわからなくて、不安になります。」

「─余裕なんて全然ないよ。本当は行かせたくないし、こないだのも、すげぇ恥ずかしかった。覚えてないの?」

「こないだ?」

「言ったじゃん…」

彼女の耳許に顔を近付けて、

「一緒にご飯でも行きませんか?これが合図なんでしょ──君が気になってます。」

そう囁いた。

電車だし、キザな台詞だし、すげぇ恥ずかしかったけど、顔を赤く染めた彼女が、

「連絡先…教えて下さい。」

そう言ってくれたから、死ぬほど幸せな気持ちになったんだ。



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