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恋に落ちる時
第1章 フットサルの彼 -1-
里佳「それにしても驚いたわ。柳って舞のこと大好きーって感じだったのに。」

ふらっと前を通って決めた新橋の高架下にある沖縄料理屋で、ハイボールを片手にそう話すのは、高校時代からの友人の小田 里佳。

美紀「てか、2人が付き合い出したの高1の終わりからだから、9年でしょ。本当、あり得ないわ。あいつ何やってるの!」

そうやって語気を強く怒っているのは、山本 美紀。

今日は、遠距離恋愛をしていた彼氏と別れたという私(高橋 舞)からの報告を聞いた仲良しの二人が心配して集まってくれたのだ。

「あはは、ビックリだよね。こないだまで、来年になったら結婚しようとか…言って…たのに…。」

笑顔を作りながらも、ポタポタと溢れる涙を止めることができない。

里佳「つらいよね。ちょっと痩せたみたいだし、ごはん食べてる?」

「…うん、大丈夫。2人とも月曜から本当にありがとね。」

美紀「いいんだよ、私が失恋したときもいつも駆けつけてくれるじゃん!…柳は別れたくないって謝ってきたんだよね?やっぱり、許せそうにない?」

「浮気相手の人がわざわざ私に電話してくるってことは、1回や2回の関係じゃないと思う…離れてる間、私も寂しかったのに直人は浮気してたんだと思うと悲しくて。遠距離なのは変えられないし…もう、どうやって信頼したらいいかわからないの。」

美紀「そうだよね。…舞、今は辛いかもだけど、きっと素敵な人が現れるから!今日は飲もう。」

「飲んで忘れる~(;-;)」

里佳「そうしよ、そうしよ。あっ、舞、今週の土曜予定ある?お家にいても色々考えちゃうだろうし、良かったら私の行ってるフットサルこない?」

「ありがと…1人だと落ち込んじゃいそうだから行こうかな。」

美紀「素敵な人いるかもだし、楽しんでおいでね。」

泣いたり笑ったりしながら、友人達の温かさに包まれて夜は更けていった。







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