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恋に落ちる時
第7章 丸の内の彼 -4-
「…だとしてもさ、逃げるようにいなくならないでよ。本当、焦ったよ。お願いだから、何かあったときは、ちゃんと二人で話そ?」

コツンとおでこをくっつけて、真っ直ぐに私の目を見つめながら彼が甘く囁く。

ん?ん?どういうこと―??あまりの驚きと混乱に涙も引っ込んだ。

「―…結婚って、私とですか?」

さっきまでの涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔でアキラさんを見つめ返すと、

「はっ?そこ!?」

はじめて見る彼の面食らった表情。

「親父から、聞いたんじゃないの?」

「…後輩がオーナーから聞いたって。」

「何て?」

「アキラさんがもうすぐ結婚するって、とっても素敵な人だから安心だって言ってたって聞きました。」

「うん、で、ゆかちゃんは俺が別の女と結婚するって思ったってこと?」

あぁーー、アキラさん、何かちょっと…不服そう?

「だって、私オーナーに紹介なんてされてないし…そもそも、私達って付き合ってるんですか?」

私の問いかけに今度は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をする彼。

「…―うちの合カギ貰ってくれた時から、俺、そういう事だと思ってたんだけど…///」

いつも大人で余裕たっぷりなアキラさんがみるみる顔を赤く染め、耳迄真っ赤になっていく。

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