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第6章 乳母…6

「佐野さん、ありがとうございます。巻き込んでしまってごめんなさい。」

「いや…俺がもうあおいさんを巻き込んでいるし、お互いに巻き込んで、解決していったらいいんだよ。」

「ありがとう…ございます。」

「あおいさんと居ると俺はいい人になれるみたい。はははっ。」

「そ…そんな。。」

「俺は…あおいさんが好きだ。あおいさんが近くに居てくれるだけで、幸せでいられる。」

「私は…隼君の傍にいられるだけで幸せ…」

「隼人かぁ？ははは」

「そして佐野さんが隼君と私を包んでくれていてくれて安心も出来るの。」

「そ…そうか。微妙な返事だな。でも嬉しいよ。」
あおいには川口という彼氏がいた事を思い出したのだった。この幸せは永遠には無理なんだと寂しい気持ちが込み上げた。

「川口とは結婚するの？」

「結婚？…。出来ないわ。」
あおいは川口を尊敬はしているが、愛してはいない事に気づいていて、桜田の愛情の無い結婚で幸せになっていないない事が分かり川口の部屋から出る決心をしたのだった。

「結婚出来ないの？何故？」

「愛して無いの。彼も私を愛していないわ。」

「そうなの？」

「私、愛してくれて、愛している人と結婚したいもの。」

「そんな相手、見つかるといいね。」
寂しそうに佐野は言った。