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乳母…めのと
第2章 乳母…2

どれくらいの時間が経ったのだろうか、そんなに長時間では無かったとは思うが、義父母が居た時間は重く長く感じられた。
佐野は玄関のドアを閉めると大きな溜息をついた。
何とか義父母を宥めて帰ってもらったのだった。
義父母が帰った後、佐野はあおいの部屋に来た。そして隼人の顔を覗き込み頬を突きながら
「俺の子だもをな。隼人は。」
そして腕を伸ばし隼人をあおいから受け取り抱き締めた。
「妻が死んで途方に暮れて、最初は隼人を手放そうと思ったけど、 手放さなくて良かったよ。あおいさんが居てくれて…良かった。俺は酷い事ををしてしまうところだった。結局自分のことばかりしか考えていなかったんだよな。」
「そ…そんな…ショックで気持ちが落ち込んでいたんですよ。今、こうして素敵なパパでいるからいいんじゃないかな?」
「ありがとう。優しいんですね。あおいさんは。」
「優しくなんて…無いですよ。DNA鑑定したんだ。」
「DNA?」
「そう、俺の子じゃ無いかも知れないってね。隼人が出来て結婚したんだ。でも結婚前に何人か男がいたようで…だから疑っていて…:
「そう…辛かったですね。」
「俺はそうでも無かったんだ。軽く離婚すればいいって思っていたんだ。お手伝いさんくらいに思っていたんだ。だんだんと体調が悪くなり…お手伝いさんになるどころか、お手伝いさんを彼女の為に雇って…だから…妻には思いやりなんて全く無くて…思いやりより関心も無くて…彼女はとても苦しんでいたようだったよ。この生活に苦しんでいたのか、好きな男の傍にいられなくて苦しんだのか…何に苦しんでいたのか分からないけどね…ごめん。言い訳話しをしてしまったよ。彼女の親に責められて…何にも言えなくて…」
あおいは首を横に振り
「人の本心なんて分からないもの。例え言葉を貰っても嘘だったりするから…仕方ないわよね。」
寂しそうに隼人の顔を見ながら言った。
佐野は玄関のドアを閉めると大きな溜息をついた。
何とか義父母を宥めて帰ってもらったのだった。
義父母が帰った後、佐野はあおいの部屋に来た。そして隼人の顔を覗き込み頬を突きながら
「俺の子だもをな。隼人は。」
そして腕を伸ばし隼人をあおいから受け取り抱き締めた。
「妻が死んで途方に暮れて、最初は隼人を手放そうと思ったけど、 手放さなくて良かったよ。あおいさんが居てくれて…良かった。俺は酷い事ををしてしまうところだった。結局自分のことばかりしか考えていなかったんだよな。」
「そ…そんな…ショックで気持ちが落ち込んでいたんですよ。今、こうして素敵なパパでいるからいいんじゃないかな?」
「ありがとう。優しいんですね。あおいさんは。」
「優しくなんて…無いですよ。DNA鑑定したんだ。」
「DNA?」
「そう、俺の子じゃ無いかも知れないってね。隼人が出来て結婚したんだ。でも結婚前に何人か男がいたようで…だから疑っていて…:
「そう…辛かったですね。」
「俺はそうでも無かったんだ。軽く離婚すればいいって思っていたんだ。お手伝いさんくらいに思っていたんだ。だんだんと体調が悪くなり…お手伝いさんになるどころか、お手伝いさんを彼女の為に雇って…だから…妻には思いやりなんて全く無くて…思いやりより関心も無くて…彼女はとても苦しんでいたようだったよ。この生活に苦しんでいたのか、好きな男の傍にいられなくて苦しんだのか…何に苦しんでいたのか分からないけどね…ごめん。言い訳話しをしてしまったよ。彼女の親に責められて…何にも言えなくて…」
あおいは首を横に振り
「人の本心なんて分からないもの。例え言葉を貰っても嘘だったりするから…仕方ないわよね。」
寂しそうに隼人の顔を見ながら言った。

