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乳母…めのと
第2章 乳母…2
佐野が義父母を連れてきたので、玄関であおいが迎え入れた。
義父母は玄関で立ち止まり、あおいを見つめた。
そして佐野に鋭い目つきで
「隼人を引き取りにきました。」
冷たい口調で言い
「まだ…49日が過ぎたばかりなのに…もう?」
義母が声を震わせながら言った。

「あ…あの…私…」
あおいが自分の立場を説明しようとすると佐野はあおいを止めた。

「隼人は私の息子です。なので引き渡せません。」
きっぱりと義父母に言った。

「娘を…ユリを見殺しにして…忘れ形見の子供まで奪って…」

「隼人は立派に私が責任を持って育てますから、大丈夫です。」

佐野と義父母の間に確執がある事はあおいは分かったが、この義親子の間に立つ強さは無かった。

誰のせいでも無いのに誰かのせいにして、行き場の無い悲しみをぶつけて心の均衡を保ちたい…
人はそういうものだから…

あおいは部屋に入っているように言われ、隼人の抱き部屋に行った。
玄関先では義父母の罵る声と佐野の低い謝罪の声がしていた。



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