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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第3章 第一話【天つみ空に】 其の参
お逸は現実に立ち返る。努めて明るい声音で返した。
「今夜はもう良いわ。ありがとう。夜も遅いから、おみねも早く寝んでね」
「かしこまりました。それでは、ごゆっくりとお寝み下さいませ」
声と共に、脚音が廊下を遠ざかってゆく。お逸に与えられたのは、この居間と更に奥の続きのひと間である。奥の間にはおみねが敷いてくれた夜具があった。
「おやすみなさい」
お逸は聞く人もいないのに、小さな声で言ってみる。
「今夜はもう良いわ。ありがとう。夜も遅いから、おみねも早く寝んでね」
「かしこまりました。それでは、ごゆっくりとお寝み下さいませ」
声と共に、脚音が廊下を遠ざかってゆく。お逸に与えられたのは、この居間と更に奥の続きのひと間である。奥の間にはおみねが敷いてくれた夜具があった。
「おやすみなさい」
お逸は聞く人もいないのに、小さな声で言ってみる。