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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第5章 第二話【春の日】其の壱
それだけでもはや、敵娼(あいかた)の気持ちを醒めさせるに十分であった。いつも尻に敷かれっ放しの男は、女房の貌を思い出し、すっかり興醒めした気持ちで廊下を辿る。ふと、前方で一生懸命に廊下拭きをしている女の姿が眼に入った。いや、女というよりは、まだ少女といった方が良いだろう。男の位置からでは女の後ろ姿しか見えないが、尻や腰回りなども細く、貧弱だ。
人目を気にしていないのか、着物の裾を端折って、せっせと廊下を拭いているせいで、脹ら脛が露わになっている。そこだけ白い膚がハッと眼を射るようで、男は舐めるような卑猥な視線で女のむき出しになった脚を眺めていた。
人目を気にしていないのか、着物の裾を端折って、せっせと廊下を拭いているせいで、脹ら脛が露わになっている。そこだけ白い膚がハッと眼を射るようで、男は舐めるような卑猥な視線で女のむき出しになった脚を眺めていた。