この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第5章 第二話【春の日】其の壱
男は唾をゴクリと呑み込んだ。視線が白い脚に釘付けになり、眼を離すことができない。
それでも女は男の不躾なまなざしに気づくこともなく、一生懸命に雑巾をかけている。
女が立ち上がった。見れば、脇に小さな盥が置いてある。そこで雑巾を洗うつもりなのか、盥に近づいたその時、男は女を背後から抱きすくめた。
「―!」
女が悲鳴を上げた。無理もない、突然、見も知らぬ男に後ろから襲いかかられれば、愕かない方が不思議だ。
それでも女は男の不躾なまなざしに気づくこともなく、一生懸命に雑巾をかけている。
女が立ち上がった。見れば、脇に小さな盥が置いてある。そこで雑巾を洗うつもりなのか、盥に近づいたその時、男は女を背後から抱きすくめた。
「―!」
女が悲鳴を上げた。無理もない、突然、見も知らぬ男に後ろから襲いかかられれば、愕かない方が不思議だ。