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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第5章 第二話【春の日】其の壱
男は女を自分の方に向かせ、その顔を覗き込んだ。思ったとおり、まだ十四、五のものだろう。男のいちばん上の娘は今年、十になる。その娘と変わらない歳だ。女―娘は随分と色黒だった。先刻眼にしたばかりの眩しい膚の白さが嘘のように顔は浅黒い。
だが、大きな眼は涼しげで吸い込まれそうだし、眼鼻立ちは整っている。男は憑かれたように、娘の形の良い唇を見つめた。
まずは、このみずみずしい唇を味わってやろうと男が顔を近付けると、娘は咄嗟に顔を背けた。酒臭い息を吹きかけられた娘は、たまったものではない。嫌々をするように首を烈しく振りながら、暴れた。
だが、大きな眼は涼しげで吸い込まれそうだし、眼鼻立ちは整っている。男は憑かれたように、娘の形の良い唇を見つめた。
まずは、このみずみずしい唇を味わってやろうと男が顔を近付けると、娘は咄嗟に顔を背けた。酒臭い息を吹きかけられた娘は、たまったものではない。嫌々をするように首を烈しく振りながら、暴れた。