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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第5章 第二話【春の日】其の壱
真吉に逢えない淋しさに心が負けそうになったときは、大好きな恋の歌を口ずさむ。そうすると、不思議とざわめいていた心が落ち着く。真吉と二人きりで過ごしたあの晩秋の美しい光景が瞼にありありと甦り、いくばくかでも心が慰められるのだ。
あの歌を心で唱えるだけで、身体の奥底から力が湧いてくるような気がする。自分の真吉への想いが消えない限りは大丈夫だ、自分さえ気持ちをしっかりと持っていれば良い。自分の心を、真吉の心を信じ続ければ良いのだと。
あの歌を心で唱えるだけで、身体の奥底から力が湧いてくるような気がする。自分の真吉への想いが消えない限りは大丈夫だ、自分さえ気持ちをしっかりと持っていれば良い。自分の心を、真吉の心を信じ続ければ良いのだと。