この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第6章 第二話【春の日】其の弐
だから、おあいこさ、俺だって、お逸と同じ、お前が他の男に乱暴されそうになったって聞いただけで、これだけ熱くなるんだ。お前が東雲花魁と俺のことで妙な噂話を聞いて―妬いてくれたのかと思やア、俺も嬉しい」
「真吉さん―」
真吉の優しさと気遣いが心に滲みる。
真吉が屈託ない笑みを見せた。
「確かに四日前の昼過ぎ、俺は東雲さんに呼ばれて、部屋までは行ったさ。だが、東雲さんの馴染みの扇屋の若旦那に文を届けてくれと頼まれただけで、すぐに部屋を出たぜ」
「真吉さん―」
真吉の優しさと気遣いが心に滲みる。
真吉が屈託ない笑みを見せた。
「確かに四日前の昼過ぎ、俺は東雲さんに呼ばれて、部屋までは行ったさ。だが、東雲さんの馴染みの扇屋の若旦那に文を届けてくれと頼まれただけで、すぐに部屋を出たぜ」