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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第6章 第二話【春の日】其の弐
「それを言うなら、俺だって同じさ」
「え」
お逸は眼を見開いて、真吉を見つめる。
「お逸が一昨日、酔っぱらった客に絡まれたって話、若い衆たちの間にもひろまっちまってるけどさ。その話を浅吉さんから聞いたときは、正直、俺、カッとなって、お逸を手込めにしようとした奴を殺してやりたいとさえ思った。ま、流石にそれは止めたけどな。そんな大それたことをしでかして、ここにいられなくなっちまったら、それこそ元も子もねえ。
「え」
お逸は眼を見開いて、真吉を見つめる。
「お逸が一昨日、酔っぱらった客に絡まれたって話、若い衆たちの間にもひろまっちまってるけどさ。その話を浅吉さんから聞いたときは、正直、俺、カッとなって、お逸を手込めにしようとした奴を殺してやりたいとさえ思った。ま、流石にそれは止めたけどな。そんな大それたことをしでかして、ここにいられなくなっちまったら、それこそ元も子もねえ。