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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第7章 第二話【春の日】其の参
それに、酷なことを言うようだけれど、真吉さんは誰が迫ろうと、絶対に惚れた女以外の女に靡くもんさ。それは、あんただって本当はよおく判ってるはずだ。あのひとの心はけして動かせはしないってね」
「―だから、あたしは苛々するんだよ」
ふいに東雲が噛みつくように言った。
「何で、あたしらじゃ駄目なんだい? いや、何で、あたしたちには、好きな男と恋を語ることも将来を夢見ることも許されないのかい?」
「東雲さん、あんた―」
松風が憐れむような眼で東雲を見詰めた。
「―だから、あたしは苛々するんだよ」
ふいに東雲が噛みつくように言った。
「何で、あたしらじゃ駄目なんだい? いや、何で、あたしたちには、好きな男と恋を語ることも将来を夢見ることも許されないのかい?」
「東雲さん、あんた―」
松風が憐れむような眼で東雲を見詰めた。