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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第7章 第二話【春の日】其の参

けして男前でもなく、赤銅色のいかつい貌はおよそ女にはモテそうにない。しかし、そう言ったときの新左衛門の眼は真摯だった。
「芳さんは良いお人だよ。何より本気であたしに惚れて下さってる。俺の子を生めば良いと真顔で言われた時、あたしは、なら、芳さんの、この人の子どもを生んでみようかなと、ふと考えたんだ。芳さんとなら、いつか心の通った夫婦になれるんじゃないかと思うよ。だから―、お逸ちゃん、心配してくれるのは嬉しいけれど、これは誰に強制されたわけでもない。あたしが自分で考えて選んだ道なんだ」
「芳さんは良いお人だよ。何より本気であたしに惚れて下さってる。俺の子を生めば良いと真顔で言われた時、あたしは、なら、芳さんの、この人の子どもを生んでみようかなと、ふと考えたんだ。芳さんとなら、いつか心の通った夫婦になれるんじゃないかと思うよ。だから―、お逸ちゃん、心配してくれるのは嬉しいけれど、これは誰に強制されたわけでもない。あたしが自分で考えて選んだ道なんだ」

