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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第9章 第三話 【白妙菊の約束】其の弐
「もう良い、行きなさい」
 甚佐に言われ、お逸は頷いた。
「はい」
 両手をつかえて頭を下げ出ていく。
 お逸のか細い後ろ姿に向けるその視線は、冷えた光を宿している。酷薄な眼は、底なしの湖のように底知れず、不気味なほど静まり返っている。
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