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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第2章 第一話【天つみ空に】 其の弐

そんなお逸を、真吉は何か眩しげなものを見るかのように見ている。
「お内儀さんは、お優しいんですね」
ややあってポツリと落ちた真吉の呟きに、お逸はすぐに反応した。
「私が優しい?」
「ええ、私は手代頭という立場上、店の者にはいつも眼がゆき届くように気を配っております。おみねは、あのように―よく言えば、おっとりとして、まあ、その逆を言えば、いささか機転が利かなさすぎます。その分、真面目で純朴なところは良いと思ってはいますが、いつも他の女中たちばかりか、丁稚までがおみねを馬鹿にして、平然と用事を言いつけるのは、いかがなものかと」
「お内儀さんは、お優しいんですね」
ややあってポツリと落ちた真吉の呟きに、お逸はすぐに反応した。
「私が優しい?」
「ええ、私は手代頭という立場上、店の者にはいつも眼がゆき届くように気を配っております。おみねは、あのように―よく言えば、おっとりとして、まあ、その逆を言えば、いささか機転が利かなさすぎます。その分、真面目で純朴なところは良いと思ってはいますが、いつも他の女中たちばかりか、丁稚までがおみねを馬鹿にして、平然と用事を言いつけるのは、いかがなものかと」

