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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第2章 第一話【天つみ空に】 其の弐

「私は幼いときから先の旦那さまに読み書き算盤を教えて頂きましたから、一応読み書きはできますが―、生憎と学はございません。それは、何という意味の歌にございますか」
お逸は淡く微笑する。
「空に輝く月が消える日が来たら、この恋は終わるのでしょうか、でも、月の輝くことが終わらないように、貴方を想う心が止むことはないでしょう。―確か、そんなような意味合いだったと思います」
昼日中から若い男を相手に恋の歌を語っていても、不思議と照れとか恥ずかしさはなかった。ただ、父の想い出を誰かに聞いて貰いたい一心だった。
お逸は淡く微笑する。
「空に輝く月が消える日が来たら、この恋は終わるのでしょうか、でも、月の輝くことが終わらないように、貴方を想う心が止むことはないでしょう。―確か、そんなような意味合いだったと思います」
昼日中から若い男を相手に恋の歌を語っていても、不思議と照れとか恥ずかしさはなかった。ただ、父の想い出を誰かに聞いて貰いたい一心だった。

