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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第12章 第四話【恋月夜】 其の弐

階段を降りてゆくのにもいつもの倍以上の刻をかけ、身体を動かす度に痛みに軋む身体を労りながら漸く湯殿に辿り着く。
おしがが気を利かしたものか、湯殿には誰もいなかった。以前はまだ他人に裸身を見られたくないという意地があったけれど、今日は最早、羞恥心も何もあったものではなかった。というより、お逸自身、あまりに烈しい痛みに苛まれ、他人の助けを借りなければ到底、歩くこともままならないほどの有り様だった。
おしがが気を利かしたものか、湯殿には誰もいなかった。以前はまだ他人に裸身を見られたくないという意地があったけれど、今日は最早、羞恥心も何もあったものではなかった。というより、お逸自身、あまりに烈しい痛みに苛まれ、他人の助けを借りなければ到底、歩くこともままならないほどの有り様だった。

