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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第2章 第一話【天つみ空に】 其の弐

「それに、お内儀さんがそんなに泣いていらっしゃると、私は、どうしてら良いか判らなくなって困ってしまいます」
お逸は、涙をぬぐいながら言った。
「そうよね、こんな風に泣かれたら、真吉さんだって、迷惑よね」
だから泣き止もう、これ以上、真吉を困らせたくないと思うのに、何故か涙が止まらない。むしろ、余計に泣きたくなってしまう。
「あー、いえ、そうじゃなくて。駄目だな。私は気の利いた科白一つも言えないから、余計にお内儀さんを泣かせてしまう」
真吉の声には狼狽が滲んでいる。
お逸は、涙をぬぐいながら言った。
「そうよね、こんな風に泣かれたら、真吉さんだって、迷惑よね」
だから泣き止もう、これ以上、真吉を困らせたくないと思うのに、何故か涙が止まらない。むしろ、余計に泣きたくなってしまう。
「あー、いえ、そうじゃなくて。駄目だな。私は気の利いた科白一つも言えないから、余計にお内儀さんを泣かせてしまう」
真吉の声には狼狽が滲んでいる。

