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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第12章 第四話【恋月夜】 其の弐
 乾いて、かさかさしていても、おしがの手は限りなく温かい。触れられた箇所からおしがの心の温もりが身体中にひろがってゆくようだった。
「おしがさんの手、温かい。何だか、風船蔓の実と似てる」
 呟くと、おしがは怪訝そうな表情を隠そうともせず、皺に埋もれた眼をしばたたいた。
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