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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第12章 第四話【恋月夜】 其の弐
少し後、大仰に肩をすくめた。
「マ、確かに言われてみりゃア、風船蔓の実とどっこいどっこいってとこかね。こんなに茶色くなっちまって、皺だけらけになっちゃアね」
少しおどけたように言う物言いがおかしくて、お逸は笑いながら言った。
「違うの、そうじゃないんです。おしがさんの手がとっても温かくて、気持ち良かったから―。おしがさんに貰った風船蔓の実を見ていたら、そんな風に温かな気持ちになれたので、それでつい、同じだって言っちまったんです。失礼なことを言って、ごめんなさい」
「マ、確かに言われてみりゃア、風船蔓の実とどっこいどっこいってとこかね。こんなに茶色くなっちまって、皺だけらけになっちゃアね」
少しおどけたように言う物言いがおかしくて、お逸は笑いながら言った。
「違うの、そうじゃないんです。おしがさんの手がとっても温かくて、気持ち良かったから―。おしがさんに貰った風船蔓の実を見ていたら、そんな風に温かな気持ちになれたので、それでつい、同じだって言っちまったんです。失礼なことを言って、ごめんなさい」