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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第12章 第四話【恋月夜】 其の弐
素直に謝るお逸を、おしがは少し愕いた表情で見つめていた。
短い沈黙の後、おしがは微笑んだ。
「お前は良い娘だねえ。器量だけでなく、心映えも良い。確かに、旦那の目論んだとおり、お前なら松風花魁を凌ぐほどの太夫になれるかもしれない。良いかい、今のように、いつも笑ってるんだよ? 哀しいことがあったって、めそめそばかりしてたら駄目だ。こんな因果な商売だ、辛いことも悔しいこともたくさんあるから、泣くなとは言わないけれど、泣くだけ泣いたら、後はきれいさっぱり全部忘れて笑顔になること、良いね?」
短い沈黙の後、おしがは微笑んだ。
「お前は良い娘だねえ。器量だけでなく、心映えも良い。確かに、旦那の目論んだとおり、お前なら松風花魁を凌ぐほどの太夫になれるかもしれない。良いかい、今のように、いつも笑ってるんだよ? 哀しいことがあったって、めそめそばかりしてたら駄目だ。こんな因果な商売だ、辛いことも悔しいこともたくさんあるから、泣くなとは言わないけれど、泣くだけ泣いたら、後はきれいさっぱり全部忘れて笑顔になること、良いね?」