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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第12章 第四話【恋月夜】 其の弐
 次の瞬間、お逸の小さな身体は、ふわりと抱き上げられていた。
 お逸は真吉の逞しい腕の中で、身を固くする。
「大丈夫か? 部屋まで送っていこう」
 控えめに問われ、弾かれたように顔を上げた。視線と視線が切なく絡み合う。
 お逸はたまらず、顔を背けた。
 清五郎に陵辱の限りを尽くされた翌朝、真吉と顔を合わせることになるとは皮肉な話だった。
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