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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第12章 第四話【恋月夜】 其の弐
その言葉は、真吉の心を射貫いたようだった。刹那、真吉の端整な貌が歪んだ。
「済まねえ。―知らなかったんだ。俺は昨夜、旦那の伴で出かけていた。お前がまさか、よりにもよって、昨夜、娼妓として客を取らされるなんざア、考えてもみなかった。松風太夫の部屋に移ったと聞いて、おかしいな、旦那も妙なことをするとは訝しんではいたんだ。もしかしたら、お前を俄か娼妓に仕立て上げるつもりなんじゃねえかとも思った。だが、こんなに急に事を運ぶとは―、流石に俺も旦那の目論みが読めなかった」
「済まねえ。―知らなかったんだ。俺は昨夜、旦那の伴で出かけていた。お前がまさか、よりにもよって、昨夜、娼妓として客を取らされるなんざア、考えてもみなかった。松風太夫の部屋に移ったと聞いて、おかしいな、旦那も妙なことをするとは訝しんではいたんだ。もしかしたら、お前を俄か娼妓に仕立て上げるつもりなんじゃねえかとも思った。だが、こんなに急に事を運ぶとは―、流石に俺も旦那の目論みが読めなかった」