この作品は18歳未満閲覧禁止です
この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第12章 第四話【恋月夜】 其の弐
お逸は淡く微笑した。
「それに、私はもう、こんな根無し草のような暮らしはご免なの。世間から隠れるようにこそこそして生きてゆくのなんて、辟易してたの。その点、娼妓としてここにいれば、客を取りさえすれば、楽に生きてゆけるわ。あくせく働く必要もない。綺麗な着物を着て、たくさん客を取って良い稼ぎをすれば、ご馳走だって食べさせて貰える」
「お逸、本気で言ってるのか? 心からそう思ってるのか!?」