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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第12章 第四話【恋月夜】 其の弐
―たくさん客を取って良い稼ぎをすれば―。 
たくさんの客を取ることは、つまりは顔どころか名前さえ知らぬ男たちに自ら身体をひらき、抱かれるということなのだ。そんなこと、考えだだけで、おぞましさに死んでしまった方が良いと思う。
 それでも、お逸は敢えて心とは反対のことを言った。
 そう、真吉を想っているから、好きだからこそ、身を退くのだ。それに、真吉はあくまでもお逸に好きだとは告げてはくれない。
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