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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第12章 第四話【恋月夜】 其の弐
 涙が後から後から溢れていたけれど、後ろ姿しか見えない真吉には判ることはないだろうと思うしかない。
 だが、実際には、お逸の歩き方はいかにも覚束ない様子で、脚を動かす度にあの下半身に走る激痛に耐えているのは真吉の眼にも明らかであった。
 漸く二階まで上ったところで、お逸はそのまま最上段に座り込む。そこで少し休み、廊下を歩いて部屋に戻った。
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