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この想い、あなたに届くまで~遊廓(くるわ)の恋~
第2章 第一話【天つみ空に】 其の弐
「小鳥があの紅葉の枝に止まっていたのです。緑色のきれいな鳥でした」
「ああ、私が来たので、愕いて逃げてしまったのだね」
清五郎が頷くと、お逸を気遣わしげに見た。「しかし、泣くほどのことではないだろうに」 お逸はつい今し方まで小鳥が止まっていた方を見ながら呟いた。
「小鳥が羨ましい。小鳥は羽根があって、自分の好きなところへどこにでも飛んでゆけるもの。私も今度生まれ変わるなら、小鳥になりたい」